音楽アーティストで必要となる契約について

音楽を職業とするカテゴリーとして音楽アーティストがあります。厳密にはミュージシャンと区別されるものの、最近では、主にステージ等に立つ人全てに対して広義の意味で用いられています。

音楽アーティストのデビューは、大きく、大手からのメジャーデビューと、大手を除くインディーズデビューの2つがあり、デビューするためには、活動などによる音楽関係者からの認知、レコード会社などへの自らの売り込み、オーディションへの参加の3つの方法があります。

多くの人が音楽アーティストに抱くイメージの1つに収入に関する内容があります。一般的に印税は知られているものの、どこから収入を得ているのか知らない人も多く、ここでは、契約形態を理解することで内容を知ることができます。

音楽アーティストは、通常、3つの会社と契約をします。まず、原版制作を行うレコード会社があり、専属実演家契約、いわゆる録音契約を結ぶことになります。つまり、楽曲を録音する権利に関する契約をすることで、売れた枚数に対しての金額を受取ることになります。

次にプロダクションとの契約があります。プロダクションとは、活動や活動資金のサポート、プロモート、様々な交渉やスケジュール調整などに関してマネジメント契約を結びます。ここではアーティスト活動に関るギャラなどすべての収入に対して事務所側の手数料が差し引かれた金額が支払われます。手数料は20~30%程度が相場とされているもののプロダクションによっても違いがあり、新人など、アーティストの立場によっては固定給で支払われるケースもあります。また、最近では事務所に所属をしないアーティストもおり、独自にスタッフを設けることで音楽活動を行っています。

3つめには音楽出版社との契約があります。音楽出版会社は著作権運用会社を指し、楽曲と著作権を保有することでプロ-モーション・管理、使用料徴収などを行います。契約形態としては「楽曲を使う権利を渡す」内容になり、著作権譲渡契約を取り交わすことでアーティストは印税(著作権料)を受取ることになります。例えば、CDでは6%が使用料となっており、まず、曲が登録されたJASRAC(日本音楽著作権協会)にその6%が支払われ、手数料を差し引いた金額が音楽出版社に支払われます。音楽出版社はそこから約50%程度を手数料として差引、残りが印税として支払われることになります。