現代の日本の音楽アーティストの作る楽曲について

日本の音楽アーティストが作る曲と海外の音楽アーティストが作る曲との決定的な違いは、複雑さにあると私個人は思っています。今や日本の音楽シーンを彩る様々な日本人音楽アーティストの曲は非常に複雑で入り組んだ感じのものが多く、好きでなければ理解できないようなものが増えてきている現状です。一方、海外でランキング上位に入る楽曲というのは非常にシンプルな構成となっており、一度聴いたら忘れられないような、どの年代にも親しまれるようなコード進行やメロディがつけられています。


これは歌詞に関しても言えることではないでしょうか。日本人の書く歌詞というのは非常に難解で、一度読んだり聞いたりしただけでは到底理解できません。歌詞がまるで一つの長編大作のようになっていて、何度も何度も聞くことでようやく理解できるようになっています。それに比べて海外の曲につけられた歌詞の単純なこと。言葉以上の意味はあまりなく、簡単に理解することができます。


これはどちらが良いとかどちらの方が優れているということではなく、かなり日本人と外国人の作る楽曲に違いがあるということで、世界中に愛される曲を多く輩出している海外の音楽アーティストというのはこの部分をよくよく理解したうえであえてそのように作っているのではないかと、私は思うのです。


かつて日本の歌謡曲には、この単純さやシンプルさがありました。だからこそ、家族みんながお茶の間に勢ぞろいして一つの音楽番組を見て、一緒に口ずさむというようなことができていたのでしょう。この時代の歌は海外の人たちにもとても愛されていて、今でも高い人気を集めています。


今はより日本人らしく凝った感じの作りの音楽が増えてきたことで、それぞれに個性が強くなっているために、好きな人は好きだけど苦手な人は苦手かも知れないというようなものになっています。こうなるとそれぞれの楽曲を好んで聴く人というのは、それぞれの音楽アーティストのマニアのような位置付けになるのでしょう。


何がいいとは一概に言えませんが、シンプルな楽曲がもう少し増えたらそれはそれで非常に楽しいし、日本の音楽シーンもさらに発展していくのではないかなと思います。